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電動自転車など新たなモビリティシェアリングで地域活性化を目指す

2023年03月13日更新

PickUp記事:東京・大手町などオフィス街に、電動キックボードのシェアサービス、三菱地所と連携で(トラベルボイス2023.02.06)

電動自転車や電動キックボードのような、小型で一人乗りの移動手段「電動マイクロモビリティ」のシェアリング事業をさまざまな地域で展開している株式会社Luupが、大手町や丸の内、有楽町地区(大丸有地区)にある三菱地所株式会社所有のビル複数に、同社電動マイクロモビリティのポート(無人の機材受け取り・返却拠点)の設置を開始しています。

同地区は、地下鉄や地下通路などの交通網が発達していますが、歩くには距離があるけれど電車を利用するほどではないような短距離の移動が不便と言う側面がありました。

そこで、電車や車以外の移動手段として、同社の電動マイクロモビリティシェアリングサービスを活用することで、通勤や買物などの日常生活や、観光における短距離移動をより快適にしようとする試みとなっています。

同社のポートを大手町パークビルや三菱ビル等に置き、電動マイクロモビリティを利用できる環境を整えるとともに、電動の乗り物の利用を促す本取り組みを通じて、環境に配慮しながら、地域内移動をスムーズにして、地域活性化へとつなげていくそうです。

地域内移動を快適化して地域を活性化 電動マイクロモビリティのシェアリング事業

(引用:マイクロモビリティ推進協議会2022.3 令和3年度 第3回車両安全対策検討会 安全-資料5-1「電動キックボード実証実験の結果概要及び安全対策」P.3「01 電動キックボードとは」より「電動キックボードの特徴」・「自転車との比較」

近年、電車などの公共交通機関の機能を補完して、地域内の回遊性を向上させることを目的に、新たなモビリティの普及を推進する動きが認められています。

電動自転車や電動キックボードなど、小型かつ一人で利用できる移動手段の電動マイクロモビリティは、電車やバスなどの公共交通機関や自家用車と比べて、

・二酸化炭素などの地球温暖化ガスを排出しない

・狭い路地等を移動できる

・公共交通機関の混雑緩和および三密回避につながる

などのメリットがあるほか、徒歩や通常の自転車よりも楽に移動できるため、コロナ禍の時代において、そのニーズをさらに増大させているそうです。

このような背景もあり、電動マイクロモビリティシェアリング事業を展開する株式会社Luupは、三菱地所株式会社が持つビルのいくつかに、同社シェアリングサービス「LUUP」のポートを設置しました。

「LUUP」を始めとする電動マイクロモビリティシェアリングサービスの多くは、地域内にあるポートで電動モビリティを借りられるシステムとなっています。

利用者は、いつでも、好きな時間だけ電動自転車等を利用でき、返却は地域内のポートのいずれかで行うと言う形のサービスです。

このシェアリングサービスの普及を推進することで、地域内の回遊性が向上し、買い物や観光等の経済活動が活発になるとして、地方自治体などの行政もまた、積極的に電動マイクロモビリティの普及・活用を推進しています。

今回のように、公共交通が発達している場合でも、

・徒歩で移動するには遠く、公共交通を利用するほどではない短距離移動の手段がない

・車を利用するには駐車スペースや道路が狭く、渋滞が発生しやすい

などの課題がある場合、電動マイクロモビリティがその解決に役立つと期待されているほか、ガソリン車と比べて環境に優しい点も評価されているようです。

このように、電車やバスなどの公共交通機関の補完・代替手段として注目されている電動マイクロモビリティですが、移動手段として地域に貢献できるだけでなく、

・これまで活用されていなかった空きスペースなどの活用

・賃貸住宅、ホテルや飲食店などの商業施設の利便性向上

・マイクロモビリティの利用料で収入源増

・非常時における電源供給源として災害時に活用可能

など、実にさまざまなメリットが見込まれています。

災害などの非常事態に強く、観光客や地域住民にとって利便性の高い、住みやすいまちをつくるのにも役立ちそうです。

また、今回の取り組みを行っている株式会社Luupが提供する「LUUP」には、

・小さなスペースでもポート設置が可能

・シェアサイクル&電動キックボードシェアアプリ「LUUP(ループ)」で簡単に利用できる

・料金が1分単位(初乗り料金+1分単位の時間料金)で、数分ほどの距離でも利用しやすい

・アプリで返却可能なポートを事前確認・予約できる(到着時に返却できない事態を予防)

などの特徴もあり、利用しやすいサービスと思われます。(詳細については、https://shibuya-startup-support.jp/jp/topics/210524.html

同サービスの導入で、地域利便性が向上されて観光客の増加が見込めるなど、地域経済の活性化が期待できそうです。

また、同社では、電動自転車と電動キックボードの2種類を提供していますが、電動キックボードの利用には、さまざまな配慮が求められます。

電動キックボードの運転には、原則として自動車運転免許等が必要となるほか、ヘルメットの着用や関連法令の順守が求められる場合も多いのです。(https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/seikatsuseihin/mobility/index.html

同社のサービスでは、アプリを通じて、免許証の登録や走行ルールの確認を実施しており、安全対策にも力を入れていることがうかがえます。(詳細については、https://shibuya-startup-support.jp/jp/topics/210524.html

ただし、その一方で、電動マイクロモビリティをより利用しやすい環境を考慮すると、利用者が制限されやすい電動キックボードだけでなく、同社のように、自転車も同時に選べるようなシステムづくりもポイントと言えるのかもしれません。