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富山 ゲーム好きの集まりが大きなうねりに!集客力を活かし地方をPR

2019年10月07日更新

「ファミコン」や「プレステ」などでゲームを楽しんだ人も多いのではないでしょうか?そんなゲーム業界が新しい動きを見せています。今回取り上げるテーマは「eスポーツ」。元々流行の変化が激しい業界ではありますが、地方創生の担い手に躍り出ようとしています。それでは、そもそも「ゲーム」と「eスポーツ」は違うものなのでしょうか?一見、地方創生との関係性は薄いように見えるeスポーツですが、どのように地域の発展に結び付けていくのでしょうか?そのビジョンとはー。

PickUp記事:「ゲームが地方を救う日〜eスポーツ最先端の地は「北陸」だった!?」(現代ビジネス7月7日)

総額30億円の賞金!?未来はオリンピック正式種目!?

 eスポーツとは、「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略称で、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般のことを言います。簡単に言えば、複数人のプレイヤーが電子ゲームで対戦することを「eスポーツ」と呼んでいます。

 アメリカでは既に国がeスポーツを正式な「スポーツ」と認めており、プロゲーマーが活躍をしています。アメリカに加え、中国、韓国においても、eスポーツは大きな人気を集め、プロゲーマーの社会的地位も高いものとなっています。現時点で世界のeスポーツ人口は、3.5億人と言われています。アメリカでは、先日賞金総額30億円を超える大会が開催され、その人気はますます白熱してきています。

 さらに、2022年のアジアオリンピック中国・杭州大会では、メダル種目として正式認定されました。そのため、将来はオリンピックにおいても、正式種目として認定されるのではないか?と期待を集めています。

 一方で、世界的な人気ゲームを生み出してきた日本ですが、「eスポーツ」では世界の中で後進国と呼ばれています。日本でゲームと言えば、「子供のおもちゃ」のように見られる風潮があり、まだまだ社会的地位が高まっておりません。このことは残念なことであり、eスポーツ発展の足かせとなりかねないものです。

 それでも、ようやく日本でもeスポーツへの関心が高まりつつあり、企業のeスポーツチーム設立や学校の部活への採用、専門学校の専門クラスの設立などが急激に増加しています。

「eスポーツ」の検索状況(独自調査)

(Googleトレンド調査)

富山ゲーマーズデイ

今回の取り組みは、富山県高岡駅前にある「JOYN」というバーのオーナーが、自らのお店で定期的にゲーム対戦会を開催していたところから始まっています。規模としては小規模で、個人的なものともいえます。それが徐々に口コミで面白さが広がり、規模が拡大。その集客力を活かし、「富山らしい何かを伝えたい」とのコンセプトのもと、ゲームイベントが企画・実施されるに至っております。

企画の特徴としては、イベント会場を富山の特色ある場所(酒蔵など)に設定してみたり、大会優勝トロフィーを富山の工芸品を使ったものにするなど、工夫を凝らしています。

この盛り上がりに目を付けた高岡市近隣の魚津市商工会議所は、ゲームクリエイターを養成しゲーム産業を興すことを目標に掲げ、富山ゲーマーズデイと組み、「UOZUゲームフォーラム2018」というイベントを開催しました。

このように、1つのバーで行われていたゲーム大戦会が、1つの産業に形を変えようとしています。

富山ゲーマーズデイの様子

(引用:北陸・信越観光ナビ)

千葉ジェッツも参入!?開設進む専用スタジアム

日本国内でのeスポーツを巡る動きは、前述の通り、活発になっています。新潟で専門学校などを運営するNSGグループは、今年(2019年)4月に「eスポーツ」会場となる「eスポーツ専用スタジアム」を新潟市中央区に開設しました。

このスタジアムは、面積が180平方メートル、選手席10席、55インチモニター2台、65インチモニター1台が設置され、50~70名収容可能な設計になっている。eスポーツ予選会場として使用できるほか、レイアウトを変更できるため、様々な用途で使用することが出来ます。また、スタジアムの外にはモニター10台が設置され、通りがかった人も観戦できるようになっています。

この他にも、既に福岡でeスポーツ専用のスタジアムが開設されており、また、プロバスケットボールチーム「千葉ジェッツ」は、自らの試合を行う為のスタジアムを建設し、eスポーツ大会の会場にも使用しようと計画を練っています。

日本でもeスポーツがアメリカのように盛り上がりを見せれば、サッカーや野球のように、イベント会場へ多くの集客が見込め、地域に活気を生み出す一助となることでしょう。

新潟「eスポーツ専用スタジアム」

(引用:にいがた経済新聞)

文化の形成がポイント

今回取り上げた富山ゲーマーズデイの事例のように、成功するモデルは、核となる一人が始めた取り組みが周りを巻き込んでいくというプロセスを描くことが多いです。

取り組みは1人では大して大きな動きにはならず、かといって多くの参加者がいても嫌々動いていては、大きな結果は生み出せません。参加者が楽しみを感じる、ワクワクするビジョンを描いた取り組みが成功に至るのでしょう。

そのためには、趣味趣向の似た人間が取り組みの初期段階から集まることが成功に大きく影響します。そういった意味で、今回の取り組みは趣味趣向が似た人が集まるイベントから始まったものであるため、加速度的に進展していっているのでしょう。

また、イベントの運営においては、運営スタッフ及び参加者のコミュニティ文化が閉鎖的でないことが重要です。興味がある人間が気軽に参加できる雰囲気を醸成しなければ、取り組みの広がりに欠けるでしょう。とはいえ、コミュニティは閉鎖的であれば熱狂的になりやすく、オープン過ぎれば平凡なものになり魅力に欠けてしまうため、その塩梅が難しいところです。運営者はその手腕が問われることになります。

ゲームが描く未来

eスポーツで地方創生を行うには、現時点で課題も多くあります。というのも、ただのイベントで終わってしまい、地域にあまりお金が落ちない仕組みになってしまう可能性があります。現時点でのビジョンは明確ではありませんが、ゲームを制作し世界に売り出すなどの体制を整えるなど、1つの産業として確立することが地方創生に資するように思えます。

また、イベントを行う際には、大規模であればあるほど、人を多く呼べる場所で行う必要があるため、どうしてもインフラの整った大都市で開催されることが増えてしまう懸念があります。eスポーツといった通信体制が必要なものなら、なおさらです。それでは、地方創生とは逆行するものとなってしまいます。こういったeスポーツを行えるインフラ整備の補助を国が地方に行い、eスポーツの大会を例えば全国ツアーというかたちで開催する仕組みを整備することが必要ではないでしょうか。

ともあれ、これだけ熱狂的な観客を集められる集客力を地方創生に活かさない手はありません。

ところで、昨今ポケモンGOなどの位置情報ゲームが社会的な盛り上がりを見せ、オンラインとオフラインを繋ぐ遊びになっています。先日も、ドラゴンクエストの位置情報ゲーム開発が発表されました。

こういった位置情報ゲームと連携することで、地方が集客に成功する事例も増えてきています。

「ゲーム」と言って甘く見ずに、その成長を積極的に上手く地方の発展に取り入れられた地域が、活気を取り戻すのではないでしょうか。