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物産展の前に「自社の強み」の洗い出しを 「FCPツール」活用のすすめ

2020年01月27日更新

百貨店にとって、一大イベントである「物産展」。各販売店は、高い集客力による売上や認知度の向上を狙って出店します。また、実際に出店すると、来場した他店のバイヤーとの繋がりや出店者同士の交流などにより、出店前には思ってもみなかったような販路の開拓やコラボ商品の開発など、新たなビジネスチャンスへと展開する可能性も秘めています。

それでは、「物産展を活用して売り込むべき商品」とはどのようなものなのでしょうか。そして、より多くの成果を生むために欠かせないツールとは-。

 

「規格外ごぼう」を用いた商品開発

      出典:ハーブティーとごぼう茶のGrowth

こちらの商品は、「青森ごぼう茶」の製造・販売を行う株式会社グロウスが2019年9月に発売を開始した、「ブルーベリーごぼう茶」です。

実は、日本一のごぼう生産量を誇る青森県。年間生産量は5万トンを上回ります。その中でも代表的な産地である三沢市に同社が設立されたのは2011年。それまでは廃棄されていたという、収穫量の2割を占める「規格外ごぼう」を活用した商品開発による地域活性化や雇用拡大を目指して、ごぼう茶の販売を始めました。敢えて「寂れつつある商店街」の中心に本拠地を構え、現在では約10名におよぶ社員の雇用を実現しています。

 

「知らない味」の魅力をどのように伝えるか

     出典:ハーブティーとごぼう茶のGrowth

ところで、「ごぼう茶」の味を具体的にイメージしながらこの記事を読んでいる方、つまり「ごぼう茶」を飲んだことがある方は、どのくらいに上るのでしょうか。

 筆者の推測になりますが、同じく「健康茶」に分類されるルイボスティーやはとむぎ茶などと比較しても、小売店で見かける機会が少ない「ごぼう茶」を飲んだ経験があるという方は、恐らく少数派と言えるでしょう。

 ごぼう茶の特徴としては、皮ごと使用することでより豊富な栄養分を摂取できること、食物繊維が多く含まれていること、ノンカフェインであることなどが挙げられ、便秘解消・むくみ改善・血行促進などの効能がテレビなどで謳われることも多いようです。

 健康志向の消費者にとっては、これらの効果を求めてごぼう茶にたどり着き、愛飲している方も多いことでしょう。しかしその反面、「飲んだことがない」という方にとっては「味の想像もつかない商品」として捉えられてしまうような実態があり、特に「効能を求めていない層」を開拓するのは難しい商品であるとも言えます。

そのような状況下で、同社が雇用拡大の実現に至るまでに成長できた背景には、どのような取り組みがあったのでしょうか。