2020年11月02日更新
■サッポロビール株式会社 広域法人営業本部 本部長代理 担当部長 松田 正哉
■道の駅 伊達の郷 りょうぜん 駅長 酒井 祐一
■一般社団法人全国スーパーマーケット協会 アドバイザー 牛島 晃(ファシリテーター)
※以下、敬称略
牛島)
酒井様が先ほどおっしゃったように、行政からいらっしゃる方とか、或いは一般のパートの方まで含めて、いろんなジャンル、色んな常識をもった方がいらっしゃる。その中での教育の仕組みのようなものはあるのでしょうか。
酒井)
教育の仕組みというよりは、こうした方がいいんじゃないの、ということを部門毎に目標を自分達で考えてもらって、それを実行に移すような取り組みをしています。実は1年目は開業したばかりで、お客様のおもてなしで精一杯でした。やっと慣れてきて2年目からそういったところを心掛けてやっている最中です。ただ教育というとうちの場合ちょっと特殊で、どうしてもどこか視察に行くっていうと、みんな道の駅に行くんですよね。他の道の駅のスタッフもそうかもしれないですけれども、道の駅だけじゃなくて、例えば百貨店を見に行ってもいいし、観光地で流行っているスポット的なところでもいいし、別に研修については道の駅以外でもいいんだよっていうのを何回も言っています。そういうところで知識・感情を増やしてもらいたいというのが、私の願いで、強く言っていますね。
牛島)
プロセスというより、もっというとプログラムのようなものを作るというよりも、個々の対応になるんですかね。パートの方々にある程度ものを任せるとか考えてもらうってことになると、やっぱりやる気とか、生きがいとか、結果としてそれが笑顔に繋がって、お客様にいい印象を与えて。モノの価格っていうのはお客様が決めるものだと私は考えています。お客様があそこでこれを買いたいっていったときに、どうしてもそのモノの付加価値っていうのはそのお客様にとって変わってくるんですね。ですので、よそがいくらでここがいくらでというような大量消費のモノと、地域産品っていうは比べてはいけないというのは常に思っているんですけども、りょうぜん様はそれを実践されているところかなと思いますね。
酒井)
うちの場合は商品開発とか、例えば新しいメニューの構成っていうのも、スタッフ同士みんなで考えているので、その商品が売れるとスタッフみんなが勝手に笑顔になるんですよね。そういったこと多い分、笑顔も自然的にでているのかなという気がしています。
牛島)
わかりました。今日の主眼は、地域が企業と連携することによって、どういうメリットがあるかというところが、一番の基本なところだと思うんですね。
今日特に来ていただいているのは自治体の皆様や地方銀行の皆様が主だと思います。その方たちが地域とどう関わるか。その中で企業と組むことによってどういうメリットがあるかという話ですよね。
今日お話を聞いていて一番思ったことは、まず企業にとっても、どことでも組めばいいわけじゃないですよね。私見ではありますが、やはり企業にとってもCSRよりCSVの重要性が高いと認識しております。基本的にはビジネスに繋がる仕組みでないと企業はそんな長いこと好きなことをやらせてはくれない。松田様の話で感激したのは、僕らどちらかというと理想を追い求めるんですよ。そうすると絶対会社の中でうまくいかない。しかし、松田様は上を説得するための材料をきちっと用意して、人を巻き込んで、結果サイクルとして回していらっしゃる。会社の利益も考えて、即そこで儲かるっていうことはないかもしれないけれども、少なくとも会社の管理者の皆様達が、「あ、これはちょっと先が見えるな」とか、要するに先が見えれば当然それに対して対応もしやすいことになります。未来永劫息子たちの時代にこういうものを伝えなければいけないっていうものとは違う。当然そこも見据えてはいるのですけれども、じゃあこの1、2年でなにをやるべきか、もっというと3、4年目でなにをやるべきか、というようなことをすごくよく考えて、その仕組みを地域と連携されているような気がしました。酒井さんの場合も、道の駅っていろんなやり方があると思うんですね。